不眠症?と悩む前に (2) - 院長ブログ

2021年10月28日医療について

一旦眠ったのに夜中に目が覚めたらなかなか寝付けない方への対応をご提案したいと思います。

(1)ベッドの中にいる時間が長すぎる

前回お話ししましたように、正常な65歳以上の人は6時間以上睡眠をとることは困難ですし、また必要でもありません。ベッドの中にいる時間を6時間程度に短縮し、昼寝もしないように心かけましょう。

(2)お酒を飲んで寝ようとしていないか

飲酒は寝つきは良くしますが、6時間ほどして酔いが醒めるころ目が覚めると再び寝付くことが難しくなります。これを飲酒による反跳覚醒と呼びます。飲酒せず眠った場合に夜中に目が覚めても反跳覚醒はなく再び寝付くことは比較的容易ですが、飲酒後に目が覚めた場合は寝つきが悪くなってしまいます。ですので質の良い睡眠のためには、飲酒は逆効果になることを知っておいてください。

(3)運動不足

適度な運動は体の心地よい疲労を招き、寝つきを良くしますし睡眠の質も高めます。お仕事で疲れているうえにさらに時間をさいて運動をする事はなかなか難しいかもしれませんが、車通勤を公共交通機関や自転車にするなどして通勤時間を運動に切り替える工夫はいかがでしょう? その場合は荷物は手提げ鞄ではなくリュックサックを利用したり、通勤用シューズはスニーカーすると動きやすいと思います。またスクワットや腕立て伏せやプランクや腹筋といった自重トレーニングは、短時間でできますし相応の筋疲労をもたらしてくれます。

(4)昼寝や寝だめは、ほどほどに

昼寝をする習慣のある人は、できるだけ30分以内にとどめるようにしてください。休日も朝寝ぼうで睡眠時間を長くとり過ぎないないようにしてください。寝だめした翌日は眠りが浅くなり、早く目が醒めたりしてしまいます。

(5)ストレスのある人は途中覚醒から再び寝付くことは確かに難しい

夜中に目が醒めた場合、ベッドのなかで他にすることがないので、考え事をしてしまいますが、脳の構造として嫌なことや不安なことばかり自然に思い出してしまい悶々と妄想してしまいます。これは誰しもがそうしたものでして、あたな一人の病的問題ではありません。ストレスからくる不眠が強い場合は生活習慣でなんとか治せるという訳でありませんので、お困りの場合は心療内科や精神科などをご受診ください。