不眠症?と悩むまえに (1) - 院長ブログ

2021年10月13日医療について

寝つきが悪い、夜中に目が覚めてしまうなど不眠症ではないかと悩んでみえる方は多いと思います。22時に寝たのに4時には目が覚めてしまう65歳のあなた、それは病気ではありません。不安やうつ病による不眠は心療内科や精神科をご受診ししてご相談いただく必要がありますが、そのような疾患ではない場合、内科でアドバイスできる不眠もあります。

まず必要な睡眠時間は10歳までの子どもが8~9時間なのに対し、65歳の高齢者では約6時間と、歳を重ねるにつれて短くなると言われています。ここが大切です。

65歳以上で「寝れない」と相談される人に消灯時間と起床時間をお尋ねすると、22時に消灯し7時に起床すると答えるような方が多いです。この方は9時間眠りたいと思っているようですが、体の生理に反することで、65歳なら6時間程度で睡眠は事足りますし、それ以上連続して眠るのは加齢とともに困難になります。ですのでこの様な方は、途中で目が覚めたり寝つきが悪かったりするのは当然なのです。

にも関わらず連続して9時間寝れないから睡眠薬をくださいというのは体の構造に反したことを求めていることになります。このような方にお願いしたいことは、ベッドの中にいる時間は6時間程度までにして下さいという事になります。例えば起床時間を6時に決めたら、消灯時間は夜中の0時にするという事です。それまでベッドに入らないように努力することが、正常な睡眠習慣への正しい道のりという事になります。

特に夜の19時から22時のあいだは「入眠禁止ゾーン」と申しまして、もっとも覚醒水準(目がぱっちりと覚めて脳が活発に活動するレベル)が高く、たとえベッドに入っても眠れないのが正常なのです。その時間に寝ようとして眠れなくても不眠症ではなく寝付けないのが正常なのです。