便器は白がいい パート 1 尿の判定 - 院長ブログ

2024年3月26日医療について

今日は便器のお話です。

便器を購入するときに色を選択するのですが、自分が好きなアイボリーを選んでいました。しかし先日、自宅の便器を新しくしたとき、業者さんと相談して「清潔感」があるとのことで白にしましたら、おしっこの色が分かったり、便をしたときの出血の色を正しく判断出来たり、意外なことに気が付きました。

みなさんはおしっこの泡が多いとかで相談にみえることがあるのですが、私が学んでき医学では、おしっこの泡で診断する学問はありません。ですが、おしっこの色は医学判断に使えることがあります。

例えば、腎臓を守るためには水などの水分を多めにとって脱水に気を付けることが大切ですが、水分を多くとるほどおしっこの色は薄まって薄黄色になります。極端な場合はほとんど無色になります。濃い黄色のときは水分の取り方が足りないことを意味しています。

肝臓が悪くなり黄疸が出たときは、おしっこの色は濃い黄色からトマトジュースのような色に近づきます。患者さんは血尿が出たとおっしゃてきますが、肝臓でおしっこが濃くなるときは血液ではなくビリルビンの色を見ているのです。

尿路結石では、典型例ではトマトジュースのような血尿を見ることがありますが、軽症例では見た目では判断できないほどの薄い血尿であることが多く、尿の色だけでは判断に迷うことがあります。

成人の方が「真っ赤な尿がでた」とおっしゃて見えるときに怖いのは膀胱がんです。特に喫煙や加齢は膀胱がんのリスク因子と言われており、そのような方が血尿を訴えてみえたときは、泌尿器科にご紹介しています。