便についてはどうでしょうか。便は固形だったり泥状なので、便自体の色は便器の色に関わらず判断出来ると思います。ですが便器が白で役立つのは出血したときです。
私自身は便秘をしたあと力んで排便すると、たまに出血することがあります。便秘と出血というと直腸がんが怖いので、年一回の検便検診(便潜血反応)は必ず受けていますが、それでも大腸がんは怖いですね。出血の色を判断するのに白い便器は便利です.
痔からの出血は、便が肛門を通過するときに肛門を傷つけて出るために生じるもので、怪我と同様に出血したてのきれいな色の血液がでます。それが便器の水を赤く染めたり、肛門を拭くときのペーパーに鮮紅色(出血したてのきれいな色)の血液が付着する、そのような色になります。便器が白だと判断しやすいですね。
いっぽう大腸がんからの出血は排便する時間に関連せず起きています。排便より前の時間帯に大腸の中で出血した血液は、出血してから時間を経た色、エビ茶色になります。こんな色の血液と思われる色のついた便がでたら、要注意です。
ちなみに赤ちゃんなどは腸が短いので、食べ物の色がそのまま便に出ることがあります。スイカ、トマトなどが典型例ですね。赤ちゃんであれば血便と思っても、何を食べさせたかを思い出して判断していただくといいかと思います。また赤ちゃんも大人もですが、勢いよく下痢をすると直腸の表面に傷をつけて血便が出ることあります。このようなときは、傷はすぐ治ってしまい大腸カメラを行っても、異常所見がみつかりません。
便器は白がいい(2) 便の判定 - 院長ブログ
2024年4月10日医療について