モデルナ社と意見交換をおこないました - 院長ブログ

2025年3月21日医療について


2025年3月19日、モデルナ社のアジア担当マネージャーの方々が当院を訪問され、新型コロナワクチンの有用性を中心に、さまざまなディスカッションを行い、貴重な情報を得ることができました。

パンデミックが始まった直後、ワクチンを開発する各社は臨床試験で最適な用量を模索する中、モデルナ社は「最大の効果が得られた100μg/回」という用量を採用しました。一方のファイザー社は「30μg/回」の設定を選択しました。その結果、モデルナ社は高い有効性を持つワクチンを開発できたのですが、用量が多い分、発熱や局所疼痛といった副反応の頻度が高く、それが接種をためらわせる一因になったことも事実です。そこで、モデルナ社は3回目接種以降のワクチンを50μg/回へ減量し「効果を維持しながら、副反応の頻度を他社と同程度まで軽減した」バランスの取れたものにしたそうです。

その後、全世界から得られたリアルワールドデータ(実際の接種後に得られたデータ)では、発症予防・重症化予防・死亡率低下のいずれにおいても、モデルナ社のワクチンが他のメーカーを上回る効果を示したとのことです。特に、高血圧や糖尿病など重症化リスクを有する人々への効果が優れていることも証明されています。

⭐️ワクチン接種率と価格の国際比較
アメリカや韓国では、65歳以上の方へのインフルエンザワクチンと新型コロナワクチンの接種が無料で提供されています。その結果、2024年秋シーズンの接種率はアメリカでインフルエンザ70%、新型コロナ35%、韓国ではそれぞれ80%と42%となっているとのことです。

一方、日本はG7諸国の中で唯一、65歳以上の方への両ワクチンを有料化しており、その影響もあってか、新型コロナワクチンの接種率はわずか20%弱にとどまっています

⭐️今後のモデルナ社の取り組み
モデルナ社は今後も
• ワクチンのさらなる改良
• 新型コロナ以外のワクチン開発
• がん領域の治療薬開発
• その他(企業秘密のため詳細は公表できませんが、興味深いプロジェクトに取り組んでいるようです)
などに力を入れていくとのことでした。

短い時間でしたが、とても充実した意見交換の機会となりました。来期に向けての新しい医薬品の開発を期待して待ちたいと思います。