麻疹(はしか)にご注意ください - 院長ブログ

2026年4月22日医療について

現在、国内各地で麻疹(はしか)の発生が報告されており、愛知県・名古屋市周辺でも注意が必要な状況となっています。人の移動が多い地域、人口が過密な地域では感染が広がりやすく、今後の動向にも十分な注意が必要です。

麻疹は非常に感染力が強く、空気感染するため、同じ空間にいるだけで感染する可能性があります。免疫のない方では重症化することもあり、決して軽視できない感染症です。

■ 麻疹の主な症状

典型的な麻疹は以下のような経過をたどります。

初期症状として発熱、咳、鼻水、のどの痛み、目の充血、目やに、だるさ。一般の風邪との区別が困難な時期です。

その後、一度熱が下がりかけた後、再び高熱(二峰性発熱と言います)が出現し、それに合わせて顔から始まり全身へ広がる発疹が出現するのが麻疹の特徴です。

※口の中に白い斑点(コプリック斑)がみられることがあります。

※当初は重症の風邪という症状ですが、特徴的な発疹が出現し疑いが濃厚となってきます。

■ 麻疹が重症疾患として危険視されている理由

麻疹は「発疹の出る風邪」とは異なり、次のような特徴があります。

免疫力を大きく低下させる →  他の感染症にかかりやすくなります → 合併症を起こしやすくなる
肺炎(最も多く重症化の原因になります)
中耳炎
脳炎(まれですが重篤)
回復後もしばらく体力低下が続くことがある

■重篤な合併症、麻疹脳炎の特殊性

特殊な重症合併症として、二つのタイプの脳炎があります

1.亜急性硬化性全脳炎

麻疹に感染してから数年(5~10年)の無症状期間を経て発症する、重篤な進行性疾患です。知的能力の低下、性格変化、筋肉の収縮、けいれん発作などの神経症状が徐々に進行し、最終的には数年で死に至る非常に予後が悪い病気です。2歳未満での麻疹罹患がリスクとして知られています。

2.急性脳炎

麻疹の発熱後約1週間で発症する急性脳炎もあり、これは麻疹に感染した人の約1,000人に1人の割合で発症します。これも重篤で、死亡や麻痺、知的発達の遅れなどの後遺症を引き起こす可能性があります。

■ 受診の際のお願い

麻疹が疑われる症状(発熱・発疹など)がある場合は、直接来院せず、必ず事前にお電話でご連絡ください。

来院時間や導線を調整させていただきます。

■ 予防について

麻疹はワクチンで予防できる病気です。

公費で行われる定期接種は、1歳になったらすぐ1回目と小学校入学前の1年間で2回目の2回接種が基本です。

それ以外の年齢での接種は自費となりますが、接種歴が不明な方、未接種の方への相談および接種を行っておりますので、ご相談いただけば幸いです。

■ 新聞記事は2026年4月22日読売新聞朝刊です


2026年4月22日読売新聞より