勉強会は主催者が規定する

ここは勉強会についてのわたしなりの「私見」を述べたいと思います.わたしが参加することのできる勉強会は主に4タイプあります
  1. 学会が主催する勉強会
  2. 医師会が主催する勉強会
  3. 製薬メーカーが主催する勉強会
  4. 愛知県臨床疫学研究会で行っているEBM勉強会
  5. 自分が主催する勉強会(はざまフォーラム)
それぞれの勉強会の特徴を考えてみました (わたしも医師会の勉強会の会長をしておりまして,勉強会を主催するものの一人として,各勉強会がそれぞれ苦悩しているいることは承知しております.失礼の儀は何卒お許しください.ホームページならではの随分思い切った本音を書きました ^^;)
1. 学会が主催する勉強会
研究結果がまとまったばかりの発表が主.今まで研究が少ない新しい治療法や検査法についてなので「目新しく話題性が高い」が,その後の研究などでくつがえることが多い
2. 医師会が主催する勉強会
発表者は著名人が多いが,発表者の考え方を拝聴する形式で,批判眼を持って聞かないと講師の意見に染まってしまって怖いことがある
3. 製薬メーカーが主催する勉強会
新しく登場した薬剤に関連する話題が取り上げられる.新薬はそれ相応の研究に基づいて登場するので,その研究結果だけを拝聴する分には素晴らしい薬剤だと納得させられるが,従来の治療薬との比較が十分に行われないことが多い.(森進一ショ−をみて,「森さん素敵」と思っているだけでは,ほかの歌手との比較が十分行われたとは言えない.芸能など趣味の分野はそれで良いのだろうが,医師である我々の態度としては「ある薬剤が良いとするす研究だけ見て,その薬剤だけが素晴らしい」と考えているのであれば,医学を行っている者として,科学的思考法が足りないのではないだろうか)
4. 愛知県臨床疫学研究会で行っているEBM研究会
名郷直樹先生が主催する自治医大地域医療学の出身者の方々のための勉強会に便乗参加しております.EBMではある治療法や診断法などについて情報収集を徹底的に行い,優れた論文を批判的吟味し患者への適応も皆で討論します.論文の結果が,偶然なのかバイアスなのか真実なのか,著者の言い分に振り回されずに,論文の結果と有用性はあくまで情報利用者である自分たちで判断します.これをEBMマインドと呼んでいます
5.自分が主催する勉強会−はざまフォーム−
各種勉強会に参加していたが,どうしても埋まらない疑問の隙間を埋めるため,気楽なスタイルで講師と参加者が討論形式問答を行い,疑問を解消する勉強会.したがって演者には質問する側が遠慮をしないでどんどん発言できるよう,水平感を持って接することの出来る人,平たく言えば仲良しドクターに来てもらっています
このように各種勉強会には特色がありますが,結局「勉強会の主旨は主催者の思惑が規定する」と思います.それは主催者自身も気付いていません.なぜなら主催者は自分たちが企画する勉強会の渦中に「常にいる」からです.そう言う意味ではEBM的勉強法もそれを駆使している自分が自分の思惑にはまらないよう,常に配慮が必要だと思います.自分の思惑と言うのは,「かつて自分が勉強して得た知識や持論に一致することばかりに目を向けようとする態度」のことです

開業医として学会が主催する勉強会以外にも参加するようになり,特にEBM的手法を用いた勉強会に参加するようになって,学会や医師会あるいは製薬メーカーが主催する勉強会の特徴に気付くようになりました.その特徴を分かった上で各種勉強会の情報を利用する賢い利用法をしたいものだと思っています

追伸: もちろんどのタイプ勉強会でもEBMマインド講演を拝聴する機会はときにあります.そんなときは「その勉強会に参加できて良かった」と感激します.でもエビデンスベースドな話は学会や製薬メーカーに好かれないのか,中々そのタイプの勉強会では拝聴することが出来ません