効率的な生涯学習について

はざま医院 伊藤伸介
医学生,研修医のみなさん.開業医になるころにはもう勉強はいらなくなるとお思いでしょうか.専門を極めてからその専門だけで開業すると言う方は不要かもしれませんね(本当にそうでしょうか?).わたしは全く違いました.ジクソーパズルの完成を目指すにも書きましたように呼吸器疾患を中心にしか学ぶ機会がなかったわたしは,開業してからが家庭医療に対応できるようになるための幅広い学習の始まりでした

勉強をつづけるのはどんなモチベーションからなのでしょうか?
  • 知らないで診療を行うのは不安で仕方ない
  • 知らないで診療を行うのはうつ気分になる
  • 知らないで診療を行うのは医療過誤を起こして訴えられる
では,学習をつづけるとどうなるのでしょうか
  • 学習をつづけると知らないことが減って不安が解消される
  • 学習をつづけると知らないことが減ってうつ気分が解消されルンルンした気分になる
  • 学習をつづけると知らないことが減って医療過誤が予防できる
このようになれば理想ですね.でも現実はかどうかと言うと
  • 勉強しても勉強しても知らないことが減らない.それどころか患者さんが増えるにつれてかえって扱う疾患が増えて疑問も増えてしまう.イライラして不安やうつ気分が増大してしまう
  • 同じ理由で医療過誤が減ると言う保障もない
  • では患者さんを制限してはどうかと言う考えも成り立つが,父親が内科小児科で診療所を昭和29年から続けていたのに,息子の代になって「呼吸器しか診れません」と申し上げて,今まで当院を頼りにしていらしてみえた患者さんをお断りする気にもなれない
そこで自然と以下のように行動しました
  • 当院で診てもらいたいと言う患者さんからのニーズがあるのであれば,負けずに勉強してあらゆる疾患に対応できるように進化すれば良いのではないか
  • 当面は学習がわたしに明るい未来をもたらさなくても,それは甘んじて受け止めて,まず解決できる疑問をドンドン解消していこう
これはわたし独自の思考ですが,とりあえず学習をつづけて,死ぬときになって,あるいは医者を廃業するときになってそれでよかったのか結論することにします ^^)
さて,前置きが長くなりました.わたしの考える「効率的な生涯学習」について述べたいと思います.開業医の勉強法として一番負担の少ないものに地域で行われえる勉強会の利用があります.ここ名古屋市南区では南圭会であったり名古屋内科医会であったりするわけです.でもその欠点をあげるとするなら

  • 勉強できる内容は勉強会主催者側が規定する
  • 講師のお話を伺うのだがPrimary care医にとってふさわしい内容とは限らない.どういうことかというと,「病院を受診する患者と我々開業医の患者層の違いについてに書いたように,病院関係の医療従事者は同じ症状でも質の違う層の患者を診ているので,自分たちのスタンスで病気について講演をしてしまことが往々にしてあります.つまり「50歳の男性が1ヶ月咳が続くと言うことで初診した場合,以下のsettingによって医師の対応はどのように異なるでしょうか?一緒に考えてみましょう
    • はざま医院を受診した場合
    • 400床の病床を持った総合病院である大同病院の呼吸器科を受診した場合
    • 愛知県がんセンターを受診した場合
    • 結核療養所を受診した場合

以下今後に続く...乞うご期待!!

前方視的学習:学会や医師会のセミナー
後方視的学習:EBM,ケースカンファレンス,CPC,病診連携会議
ワークショップ:はざまフォーラム,EBMTV会議