夢から醒めた夢の魅力

ミュージカル「夢から醒めた夢」は,劇団四季のオリジナルミュージカルで,劇は夢の案内人の歌から始まります
♪ 人は誰でも夢見る.覚えているか夕べの.その夢を話してごらんんよ,楽しい夢や,怖い夢,私が配って歩く ♪
それに続く夢の案内人のセリフ 
舞台の上の俳優は,いつでも皆さんの仲間です.この子をじっと見つめているうちに,みなさんの心はこの子の心とひとつになる.俳優は舞台という夢の空間のなかで,さまざまな運命を生きる.その時,観客の肉体は客席に座っているが,心は俳優の肉体を借りて劇の世界に遊ぶのです.芝居と言う夢が果てるまで.今日,私はこの女優(ピコ)をみなさんに与えましょう.みなさんは彼女とともに私の夢の世界を生きるのです.
何気なく始まるこのシーンですが,実はこのセリフに重要なメッセージが含まれているのです
もう50歳になろうとしている私が,このミュージカルを観るたびにピコに感動を覚えます.もちろん脇役陣の支えがあってこそですが,美女と野獣にしても,オペラ座の怪人にしても,たった一人の主役に,これほど感動を覚えることはありません.でもこの夢の案内人のセリフを改めて聴いてみて,ふと気付いたのです
観客は自分をピコに同体化させて,舞台の中で演じられられるミュージカルに入り込んで良いのです.そのように仕組まれたストーリーなのだと.ピコと同体化できた人が一番楽しめるミュージカルに仕上がっているのだと.ロビーパーフォンマンスから,知らないうちに始まっている劇に観客は惹きこまれ,知らないうちにピコと同体化しているのです
子供のころ,アニメやプロレスのヒーローに自分を一体化させて夢中になることができた童心を忘れかけているあなた,再びそのような童心に憧れているあなた.そんな人々の心でさえ揺さぶるミュージカルではないでしょうか.私の中で輝いているミュージカルです
夢の案内人 ピコ マコ

夢から醒めた夢 最終章 千秋楽につづく